7言目:頭の良さとは

今回は「頭の良さ」という若干俗っぽいテーマですが、暇つぶし程度にお付き合いください。
高校生・受験生の皆さんが「頭の良さ」を考えるとき、大抵の人はテストの点数をイメージするのではないでしょうか。
確かにテストの点数は数値として目に見えるもので、非常に分かりやすい指標です。
ただ、テストの点数も勿論そうなのですが、大学や社会に出るとそれだけが「頭の良さ」を示す指標ではないと感じます。
例えば ”アウトプット”。大学や社会では、高校までよりも「相手に伝える」機会が確実に増えます。
人が相手に何かを伝えるとき、当たり前ですが次の4タイプに分かれると私は思います。

① ”簡単なこと” を ”簡単に” 伝える
大多数の人はできている、というよりできて当たり前だと普通は思うのですが。。。

② ”簡単なこと” を ”難しく” 伝える
「そんな人いないだろ」と思いたくなりますが、こういう人は間違いなくいます。しかも結構な割合でいます。
正直なところ、できればこういう人とはあまり関わりたくないですが、こういう人がもし学校の先生や職場の世話役などだった場合、大変な苦労をします。
しかもこういう人に限って、うまく伝わらなかった場合に「自分の伝え方が悪いから」とは思わずに「相手の理解力が悪いからだ」と思いがちです。(苦笑)
そのような状況になってしまったら、伝える側と受け手側両方にとって悲劇といえます。
もしこういう人から重要なことを教わらないといけない場合、非常に手間ですが脳内で噛み砕いてうまく自分の言葉に変換し、「それってこういうことですか?」と都度確認しながら聞くのが賢明でしょう。

③ ”難しいこと” を ”難しく” 伝える
難解な文献を読んだ時によく思いますが、「もう少し分かりやすく書いてくれないかな」と思う反面、「自分の知識が足りないのかな」と反省もします。
内容が難しいことであれば多少は仕方ないとは思いますが、「”難しいこと” を ”難しく” 伝える」ことは①同様、伝える側の工夫はそれほどないと思います。

④ ”難しいこと” を ”簡単に” 伝える
これができる人が「頭の良い」人だと個人的には思います。
例えば、(例として挙げるのが大変恐れ多いですが)2018年9月に九州大学伊都キャンパス完成記念式典が行われました。その一環として、2016年にノーベル医学・生理学賞を受賞された大隅良典栄誉教授の記念講演があり、私も拝聴することができました。
私は生物学は全くの素人ですが、大隅先生のお話は素人の私が聞いても理解できるもので、非常に感動しました。
勿論、内容自体を素人でも分かるレベルにあえて下げてお話をされていたのだとは思いますが、「どういう人が講演を聞いているのか」ということに配慮をされ、聞く側が理解できるように工夫されているところが流石だなぁと感じました。
(私は偉そうなことを言える立場では全くありませんが、、、)

私も学生と話をするとき、できる限り④になるよう気を付けてはいますが、
③になったり、ひどい場合②になってしまうこともあり、まだまだだと反省しています。

ほかにも「頭の良さ」を示す指標はいくつかあると思います。なかにはどうしてもセンスで決まってしまうものもありますが、少なくとも今回の「伝え方」についてはテストの点数同様、きちんと勉強すれば着実に良くなっていくものだと私は思うので、皆さんにも是非学んでほしいと思っています。

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